アレルギー科
アレルギー科
ヒトには細菌やウイルスなどの異物から身体を守る免疫機能があります。その免疫機能が食品や花粉など、本来は人体に害のないものであっても異物とみなして過剰に反応することを「アレルギー」といいます。
皮膚には細菌やアレルゲン(アレルギ―の原因となる物質)などが体内に侵入するのを防ぐという重要な機能があります。しかし乾燥や肌荒れなどの炎症があると角層が乱れ、バリア機能が低下し、アレルゲンが角層を通過して体の中に侵入しやすくなります。アレルゲンは家にいるダニやカビなどのほか、食物も含まれます。最近では、「乳幼児期の皮膚のトラブルによる湿疹などが、食物アレルギーの原因になる可能性がある」ということがわかってきています。
乾燥しやすい赤ちゃんの肌のバリア機能を整えることが、食物アレルギーを防ぐことにつながる可能性があるという考え方に変わってきているのです。赤ちゃんの頃からの保湿というのはアレルギーを予防するうえでもとても大切なことになります。
アレルギーと一口にいっても、その症状は多彩です。
皮膚の疾患である蕁麻疹(じんましん)、接触皮膚炎(かぶれ)、鼻やのどに症状をきたす花粉症やアレルギー性鼻炎、気管に症状をきたす気管支喘息、嘔吐や下痢などの腹部症状をきたす食物アレルギー等、沢山の臓器に症状を呈します。
何をアレルギーに持つかは、遺伝的な要素から後天的な要素まで様々で、種類も無数にあり原因は特定できないことも少なくありません。
当院では何らかのアレルギーが疑われる場合、詳しくお話を伺ってから、血液検査やパッチテストなどを施行いたします。場合によっては、専門の検査が可能な大学病院への紹介も行います。
指から数滴の血液を採取し、20分ほどでダニ、イヌ、ネコ、シラカバ、ヨモギ、カモガヤ、ブタクサ、スギのアレルギーの有無を調べることができます。本検査は、注射器を使わずに、指先から少し採血するだけですので、お子様でも安心して、検査を受けることができます。
一口にアレルギーと言っても色々な機序や経路が存在します。そのうち代表的なものがIgEというタンパク質を介したアレルギーです。
血液検査では、このIgEの量を調べることでアレルギーの有無や程度を数値化して示しています。
IgEは個々のアレルゲンに対して無数に存在するため、例えばダニに対するIgEやスギに対するIgEを調べてそれらが高ければダニ、スギに対してアレルギーがあると説明します。このように、ある特異的なアレルゲンに対するIgEを個別に調べることを、特異的IgE検査(RAST)と呼んでいます。検査したいアレルゲンを13項目まで選択できます。
それに対し、不特定のIgEの合計を調べる検査を非特異的IgE検査(RIST)と呼びます。
これは総IgEとも呼ばれ、IgEの総量がわかります。
あらかじめ決まった39項目を検査するView39もあります。多種調べられるためスクリーニング検査として用いられます。
主に接触皮膚炎(かぶれ)の原因検索のために行います。原因と疑われる物質を含んだものを皮膚に貼付し、皮膚反応を見る検査です。貼付してから48時間後、72時間後、1週間後に判定します。
当院ではパッチテストパネルSを用いて行います。日本接触皮膚炎学会が決定した日本人がかぶれやすい21種類のアレルゲンをセットしたパッチテストの検査キットです。原因がわからないかぶれに対してスクリーニング検査として用います。